和食用の和食器と洋食器を比較

和食

和食器と洋食器は成り立ちや形状も大きく異なるもので、多様性を生み出す要因になっています。和食は箸を使うのに対して、洋食ではカトラリーという名前で総称するナイフとフォークを使用します。日本には箸休めという言葉があることからも分かるように、箸置きを用意する伝統も生まれました。

和食器で料理を食べる際には、一汁三菜と一汁一菜の形式を選ぶのが伝統的です。これは本膳料理から発達した形式で、漆器のお椀とご飯用の茶碗に対して、主菜と副菜用の小鉢や皿などが付きます。洋食器の場合には30cm弱のディナープレートに主菜を盛り付けるのに対して、和食器は円形や角型も含めて選べる種類が多彩です。刷毛や粉引などの模様をはじめとして、偶然に生じる窯変が特徴的になる和食器も使われ、季節感や美意識を表現するために役立っています。

西洋料理では金属のナイフとフォークを用いることから、洋食器には一定の強度が必要です。それに対して、箸を多用する和食には厳密な意味での陶器が使われることもありますから、土物の柔らかい感触も特徴になります。一方で、信楽焼や備前焼のように、釉薬を使用せずに焼き締めの技法で作る陶器も多いですから、和食の自然な見た目を演出するためにも重宝されています。