江戸切子は和食器にも洋食器にも合う

江戸切子は1830年代より江戸ではじめられたカットグラス製品で、南蛮人によりもちこまれた海外のガラス製品に切子細工を施したのが始まりといわれます。無色透明なものから、藍や紅色の薄い色ガラス色ガラスを無色透明のガラスに着せかけて切子細工を施しているものまで、また、デザインは矢来文、麻の葉文、六角籠目文、霰文、蜘蛛の巣文、七宝文等、花鳥風月から生み出したデザインや柔らかな曲線を用いた物等多彩で粋なものに仕上がっています。製品は、ワイングラスやタンブラー・ビアグラス、冷茶碗、平皿からインテリア製品等まで多彩です。

江戸切子は和食器にも洋食器にも取り合わせがうまくいくガラス製品です。特に和食器は、料理にあわせてそれを盛り付ける器の組合せを楽しむという文化を伝統的にもち合わせているので、大きさ、形、色彩を考えて好みの物を選ぶことができます。暑い夏の季節には麻の葉文の切子を向うづけに用いたり、八角籠目文の皿を用いたりして涼しさを演出するのも楽しみの一つです。冷酒をいただく盃ももちろん切子がぴったりです。

洋食器の場合には、いろいろな素材の食器をとり合わせるというよりは統一されたデザインのもので料理を供するのが一般的ですが、ここに江戸切子のワイングラス等とりあわせたら素敵です。藍色や紅色等の切子は白い洋食器に映えて美しいアクセントとなります。

江戸切子