和食器と洋食器の絵柄

絵柄

和食器と洋食器の違いの一つに絵柄の付け方をあげることができます。洋食器は、メインディシュ、サラダ皿、パン皿、スープ皿、コーヒー椀・ソーサー等のそれぞれに同じ絵付けがされていて消費者はそれらをセットとして購入します。各メーカーではシリーズ物として、例えばロイヤルコペンハーゲンならブルーコペンハーゲンやブルーフルーテッドハーフレース等、ウェッジウッドならフロレンティーンターコイズとかワイルドストロベリー等のシリーズがあり、一目でどのシリーズ物と区別がつきます。

それに対して和食器の場合には、もちろん同じ絵柄で統一されるものもありますが、必ずしも全てが1セットずつ同じ絵柄で作られているわけでありません。和食器の場合5枚を1セットとして作られますが、例えば向うづけと呼ばれる器があり、形は同じであってもその絵付けは一つ一つ異なったものになっています。野の草をテーマに絵付けしていても、描かれているのはミズヒキソウ、ツユクサ、オオバコなどというように種類を変えたものが5枚で1セット等のようにして作られています。

同じ窯元で焼いた陶器であってもそうです。これは、洋食器のように1客分を同じシリーズで揃えるという文化ではなく、和食器については異なる絵付けや形の取り合わせを観賞することに楽しみを見出す文化があるためということによります。